Y・Tとの別れ

 

 Y・Tは教育学部を卒業後、東京教育大学(現筑波大学)の大学院に進学した。教育心理学を専攻していた。研究者にでもなるのかと思っていたら地元鴨川市の小学校の教員になった。Y・Tは大学時代からアルコールが入ると中毒みたいに飲み続けた。最後に会った日も、昼間でアルコールは入っていなかったが、話す言葉の呂律がよく回らない。これはアル中だなと思った。「お前、大丈夫か。」と言ったら、「大丈夫だよ。」と。どうもアル中で入院していたらしい。それが原因で教員も辞めたようだ。妻子は呆れかえり、家を出て、また母親は絶望し自殺したらしい。いろいろなことが脳裏を駆け巡った。Y・Tの母親のこと、祖母のこと、奥さんのこと。帰ったら奥さんに電話してみようと思ったが、住み家が分からず実現しなかった。それから数年後、再訪したら家の入口のドアが釘で固定され、閉鎖されていた。隣の家に行き、事情をきいたら、寝床の中で孤独死をしていたと。平成18年1月4日のことだという。何ということだ。50数年の生涯を閉じた。Y・Tのアル中の原因は「身体的なもの」と「精神的なもの」だと思うが、何が原因かいまだに理解できない。友人といってもそんなものだ。


前原東二
前原東二